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 海外マーケットは、中国での政府による景気対策の効果は未だ薄く、国内需要は精彩を欠く状況が続いています。これまでの鉄鋼メ-カ-各社による過剰生産の影響は、依然として鋼材の輸出圧力として色濃く残り、その取引価格は停滞気味に推移をしています。一方で、各国の景気動向は緩やかながらも回復軌道にあると思われ、消費の拡大を背景に一部で持ち直しの気配も出てきています。今後、各国の鉄鋼メ-カ-において収益優先の動きが強まり鉄鋼製品市況は徐々に持ち直して行くことが期待されますが、欧米地域では保護貿易姿勢がより強まっているため、その影響についても、世界並びに中国の経済動向や鉄鋼需給の変化に加えて慎重に注視してまいります。
 国内マーケットは、建材品種で首都圏の大型再開発案件の着工見直しや工期遅延による需要の停滞が懸念されています。また新年度に入り増加傾向にあった中小案件についても、その具体化までには今暫く時間を要するため、全国的な荷動きは未だ振るわず、鋼材市況も総じて足踏み状態となっています。他方で、公共投資に加え民間案件においても製造業の省人化を見据えた設備投資等の高まりから、新規又は再見積もりの案件が増えていることから、今後の需要の回復と市況の改善が期待されます。
 鋼板品種は、迫力は無いものの製造業では底堅い需要環境が続いていますが、建設向け需要の低迷と自動車関連需要の不透明感もあって、薄板及び厚板の再販品或いは切板の商況は様子見の展開となっています。また足元では輸入鋼材の入着量も増加傾向にあり注意が必要な状況ですが、流通の購入意欲は消極的であり、国内鉄鋼メーカ-の供給抑制姿勢の継続と、今後は一部鉄鋼メ-カ-の夏期減産が加わることから、秋口に向けて需要の回復次第では、流通在庫は減少が進み製品市況も好転すると思われます。
 以上のような状況の下、国内外の需給環境と市況動向を、しっかりと見極めるため、今月は全品種据置きと致します。
 引き続き、需要に見合った生産を継続し、需給の調整に努めます。

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